白樫の生垣を臨む瑞々しい日中のリビングダイニングから一転、弧を描く大開口が暮れゆく空と庭の景色を大胆にとらえます。間接照明が曲線のラインを引き立てて、華やかな夜のシーンを優しく包み込むように灯るよう照明計画を行いました。

キッチンの扉材を、折り上げ天井と同一の木材でコーディネートしたゆとりのあるフルオーダーキッチンは、その上質な素材感を伝え、キッチンカウンターにはライトアップされた飾り棚やワインセラーが完備され、意匠性を高めています。

リビングダイニングと同様に主寝室もニュアンスカラーを用いたコーディネートですが、こちらはラグジュアリーホテルのイメージでシルバーやシャンパンゴールドなど、光沢感のある素材でまとめることで、差異のある表情を表現しました。

主寝室とつながるウォークインクローゼットは白框扉や白大理石、クリスタルの取手などと合わせて爽やかなブルーグリーン色のクロスを効かせました。バカラの照明が灯る上品な空間で、毎日のコーディネートを優雅に楽しめます。

バスルームは、パウダールームとの仕切りを設けず居室のような開放的な空間に。円や曲線を活かした優しいディティールに対し濃色のモザイクタイルや扉材をアクセントとし、ラグジュアリーなイメージに仕上げました。壁面に設えたソファは、防水加工が施され、濡れた身体でゆったりと寛ぐことが可能です。

坪庭まで視界が抜ける和室のアプローチ。飛び石を外の坪庭まで続けることで内外が一体に感じます。金箔を粉状にした砂子や、切箔を用いて夜空に輝く天の川を表現した床の間の壁面の和紙は、アーティストによるこの空間のためのオリジナルです。間接照明を施した2本のアーチが天地をつなぎ、光を受けて黄金色に輝きます。