アプローチは照度を敢えて落とし、大空間のパブリックスペースに抜けた際の広がりや、明るさをより感じられるように配慮。壁面に格子を用いることで、日本ならではの空間になるように意識しました。

アプローチから直接アクセスできる動線を叶え、応接室としても活用できる和室は、組子細工や紅葉模様の襖紙、坪庭を眺める雪見障子など、日本古来の建築様式を用いることで日本の伝統文化を体感できます。

パブリックスペースは200㎡以上ある大空間。空間が間延びしないよう、リビング部分は床のレベルを下げて空間にリズムをつけ、床材と天井の照明を灯した際の色合いをリンクさせたデザインに。開放的な広がりと共にシンメトリーに配置したソファが安定感のあるリラックス空間を叶えました。

200㎡以上の大空間を支える柱は存在感を消しつつ、意匠となるミラー張り。ダイニングはモノトーンのモダンなインテリアで、こちらにもシンメトリーを取り入れることで、モダンなインテリアに品格をプラスしています。

メインダイニングの天井は目の粗い珪砂が動きのあるパターンをつくる左官仕上げ。メタリック珪砂の天井が華やかな空間を演出します。曲線を描く大開口とリンクするラウンド型のダイニングテーブルが、多人数での会食を可能にしました。

壁面に用いた天然石を細いボーダー加工した微妙な色の濃淡と、石本来のクラシカルな素朴感に、階段の段板に使用した御影石を合わせ、荘重と軽やかさ、2つの側面を持つ階段が、ドラマティックに上下階を結びます。

3階にあるライブラリーはカフェの心地よさを求めた空間です。硬質なイメージのパブリックスペースとは違う、木や絨毯などやわらかな素材感でまとめました。