外観にも使用した、重厚感のあるレンガ調のタイルを室内にも使用。内外の印象をつなげ、エントランスは中庭の緑により外部を取り込みました。採用したタイルは真新しさではなく、時を重ねるごとに味わいが増す、趣を重視して選定致しました。

中庭を回遊するように歩を進めると出迎える薪暖炉。ゆらゆらと揺れる炎を眺める特等席にレイアウトした長椅子に座ると、まるで森の中の別荘にいるような気分を味わえます。

エントランスホールからリビングに入ると天井高6ｍの清々しい大空間が広がり、均整の取れた黒のサッシが一層その高さを強調。ソファに腰を下ろすと、ドレープの美しいカーテンの間から、庭の緑を眺められます。

参考にした往年の名作ドラマ「刑事コロンボ」に登場する犯人の家。共通する、リビング階段、暖炉、バーコーナーを満たす空間は、天井や壁、階段などの素材はすべて「時間の経過とともに風合いが増していくもの」を採用しました。

リビングから続くアールの天井が印象的なバーコーナーは、酒蔵をイメージしたこだわりの空間です。敢えて暗く演出することで、灯る照明が生きてきます。

他の空間と色調を変え、白と黒のモノトーンが鮮やかですがクラシカルなテイストは崩さず、重量感のあるキッチンに仕上げています。天使が持つ花のライトがチャーミング。

ファミリールームも兼ねたダイニングは、家族の団らんを楽しめるように配慮しました。こちらもアンティークなインテリアテイストですが、ブルーをアクセントカラーに用いたことで、違った味わいを見せています。